第1章:はじめに 〜朝のスタートが1日を決める〜
朝のコンディションが、1日の質を決める
「朝が気持ちよく始まった日は、不思議と1日がうまくいく。」
これは、私たち夫婦がプロの社交ダンサーとして、長年感じ続けてきたことです。日々のレッスン、パフォーマンス、競技会、指導…。身体を使い、感情を表現し、相手と呼吸を合わせるというダンスの世界において、ほんの少しのコンディションの違いが、結果や印象を大きく左右します。
それは、単なる筋肉や体力の話ではありません。もっと根本的な“心身の土台”となる部分――つまり「自律神経のバランス」「メンタルの安定」「集中力の維持」こそが、私たちの踊りや教える内容に大きく関わってくるのです。
そしてその“土台”を整えるために、何より大切なのが「朝の始まり方」。
なぜ「朝」が大事なのか?
朝は、1日の中でもっともリセットとスタートが同時に起こる時間帯です。
夜の間に休息し、身体はある程度回復している状態。その回復の力をどのように起動させるかによって、1日を「疲れにくく、ポジティブに、集中して」過ごせるかどうかが決まってくるのです。
私たちが最も重視しているのが、「朝日を浴びること」。
実はこれは、科学的にも非常に理にかなった行動です。
朝日を浴びることのメリットとは?
- 体内時計がリセットされる
→ 人間の体には「概日リズム(サーカディアンリズム)」という生体時計があります。この時計は自然にズレていくため、太陽の光を浴びることでリセットが必要です。 - 自律神経が整う
→ 交感神経が優位になり、やる気・集中力・代謝が高まります。 - 幸せホルモン「セロトニン」が分泌される
→ このホルモンは精神を安定させるだけでなく、夜に睡眠ホルモン「メラトニン」に変化する材料にもなります。 - 睡眠の質が高まる
→ 朝しっかり光を浴びることで、夜に自然と眠気が訪れ、深い睡眠をとるサイクルが整います。
こうした変化を起こすことで、私たちの心と身体は“本来のリズム”を取り戻すことができるのです。
プロダンサーとしての実体験:朝日の威力
私たちが競技会に向けて集中トレーニングを行っていた時期、レッスンと自己練習、リハーサル、指導が重なり、まさに“寝る暇もない”ような生活が続いていました。
そんな中で実践していたのが、「朝にカーテンを開け、深呼吸しながら朝日を浴びる」という習慣でした。
ほんの5分のこと。でも、その5分があるかないかで、身体の立ち上がり方がまったく違っていたのです。
- 朝日を浴びた日は、ウォームアップがスムーズ
- 集中力の持続が違う
- ダンスの中で「自分の中心」がブレなくなる感覚がある
- メンタルが落ち着いて、パートナーとのコミュニケーションもスムーズに
これらの変化は、年齢を重ねるごとにますます顕著になってきました。
特に40代以降、「気合い」や「気持ち」だけで乗り越えるのが難しくなる中で“習慣の力”に助けられた実感は大きいです。
習慣は、小さな行動の積み重ね
「朝日を浴びる」と聞くと、大げさなルーティンのように思われるかもしれません。
でも本当に大切なのは、毎日1〜5分でも「意識して太陽を浴びる」ことなんです。
- カーテンを開けて、ベランダに出て深呼吸
- スマホを見る前に、窓際に立ってゆっくり背伸びをする
- 朝食をとるときに、窓辺のテーブルで光を浴びる
どんな形でもいい。
“太陽の光に自分の身体をさらす”ことができれば、それでOKです。
この積み重ねが、やがて体内リズムを整え、心と身体のベースを整えてくれるのです。
このブログで伝えたいこと
私たちのブログでは、こうした「身体と心を整えるための、実践的な習慣」について、科学的な根拠とともに、実体験に基づくリアルな声をお届けしていきます。
- 朝のスタートを整える方法
- 自律神経や体内時計を味方につける生活
- パフォーマンスを上げたい人のためのコンディショニング術
- 忙しい中でも続けられる、小さな習慣のヒント
社交ダンスという表現の世界を20年以上生きてきたからこそわかった、「整った身体の重要性」。
それを、より多くの人にシェアしていけたら嬉しいです。