健康・美容編

踊れるカラダは朝できる!ダンサーのための「朝光メンテナンス」

第2章:朝日がくれるパフォーマンス向上効果 ~体内時計と自律神経の密接な関係~

1. 体内時計とは何か?人間のリズムと“ズレ”の話

私たち人間は、「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれる約24時間周期の生体リズムに支配されています。
このリズムをコントロールしているのが「体内時計」。実は体内時計は、脳内の視交叉上核(しこうさじょうかく)という場所に存在し、睡眠・覚醒・体温・ホルモン分泌など、あらゆる生理機能を時間ごとに調整してくれているのです。

しかしこの体内時計、実は24時間よりも少し長めに設定されているため、放っておくとどんどんズレていってしまう性質があります。
これをリセットしてくれるのが、朝の太陽光なのです。


2. 朝日が体に与える“再起動信号”のような役割

朝日を浴びることで、網膜を通して脳に光が届き、視交叉上核にリセット信号が送られます。
この瞬間、体は「今が朝なんだ!」と理解し、そこから活動モードに切り替わります。

この切り替えの際に分泌されるのが「セロトニン」。セロトニンは“幸せホルモン”とも呼ばれ、精神の安定や集中力の向上、身体のリズムの維持に欠かせない物質です。
さらに、このセロトニンは14~16時間後に「メラトニン」という睡眠ホルモンに変化し、夜の良質な眠りを促してくれます。


3. ダンサーにとっての“朝の光”の意味 ~私たちの実体験~

プロダンサーとして活動してきた私たち夫婦にとって、コンディショニングの質が1日のパフォーマンスを左右することを身をもって体験してきました。

実は10年以上前、私たちも「夜型生活」を送っていた時期がありました。深夜まで練習、朝はギリギリまで寝て、慌ててレッスンに向かう。するとどうでしょう——

  • 朝の体が重い
  • 頭がぼんやりして集中しづらい
  • パートナーとのリード&フォローの精度が落ちる
  • 表現力もキレも足りない

そんな不調に悩まされていたある時、「毎朝決まった時間に太陽の光を浴びる」という習慣を取り入れたのです。

まずは起床後すぐ、10分間ベランダでストレッチしながら光を浴びることから始めました。これだけで、1週間後には体の反応が明らかに違ってきたのです。

  • 寝起きのだるさが軽減
  • 集中力が持続する
  • 身体のキレが出る
  • 気持ちの余裕ができる

さらに、メンタルの安定も実感できるようになり、パートナーとのコミュニケーションも自然と円滑に。これは明らかに、体内時計が整い、自律神経が正常に働き始めた証拠でした。


4. 朝の光と自律神経の関係

私たちの体は、自律神経によって無意識のうちに調整されています。
自律神経には、「交感神経(活動モード)」と「副交感神経(リラックスモード)」があります。朝、太陽の光を浴びることで交感神経が優位になり、1日を元気にスタートできるモードに入ります。

この“切り替え”が上手くいかないと、1日中ボーッとしたり、逆に夜に交感神経が優位のまま眠れなかったりといった不調につながります。
朝日をしっかり浴びることで、自律神経のバランスが整い、心と体が「今やるべきことに集中できる状態」に調律されるのです。


5. 朝に太陽を浴びることがダンスの質を上げる理由

ここで少し、ダンスに直結する話をしましょう。
競技会の当日、もしくは大事なレッスン前に“なんとなくうまく動けない”という経験、ありませんか?
その原因の多くは「神経の切り替えができていない」ことによるものです。

実際、朝日を浴びてからレッスンに臨んだ日は、以下の点で明らかな違いがあります。

  • ウォームアップが早く済む
  • 動きの精度(タイミング・リード&フォロー)が向上
  • 集中力の持続時間が長い
  • 感情表現が豊かになる(表現力UP)

ダンスは身体と精神の総合芸術。そのどちらにも大きく影響を与えるのが、朝の“自然の光”なのです。


6. 習慣化するコツ ~忙しくてもできる“光習慣”の始め方~

「朝は忙しくて太陽を浴びている時間なんてない」
そんな声も聞こえてきそうですが、大丈夫です。
実際に私たちが指導してきた生徒さんの中にも、時間がない中で習慣化できた方がたくさんいます。

おすすめは以下の3ステップです:

  • 起きたらすぐにカーテンを開けて自然光を浴びる(1分でもOK)
  • 歯磨きやストレッチをしながら日差しの入る場所に立つ(5~10分)
  • 余裕があれば、散歩やベランダでの軽い体操(10分)

たったこれだけで、体内時計はリセットされ、日中のパフォーマンスが劇的に変わってきます。


まとめ:光を浴びることは、自分の人生をデザインする第一歩

朝の太陽を浴びることは、「意志の力」で何かをコントロールする行動ではありません。
むしろ“自然のリズムに体を委ねる”ことで本来の力を取り戻す行動です。

私たちプロダンサーにとって、パフォーマンスは人生そのもの。だからこそ、この「朝の光」というシンプルで根本的な習慣が、どれほど私たちを支えてくれているか、強く実感しています。

もしあなたが、自分の体調や集中力、モチベーションの不安定さに悩んでいるなら——
まずは明日の朝、カーテンを開けて、深呼吸をしてみてください。

そして、その習慣を続けることで、自分の変化に気づけたとき。
その先にある「本当の自分らしい毎日」に出会えるはずです。


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